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2015年11月14日 (土)

いまさらですが、ピケティ「21世紀の資本」を読みました!

 ピケティの「21世紀の資本」を読みました。

 ピケティブームもだいぶ下火になったようで、最近はあまり聞きませんが。一方で、大反論のようなものも聞こえてこない気もするのですが。

 こんな時期になったのは、さすがに本の値が張るからです。

 ネット検索すると3000円代くらいの出物もあるようですが。

 要は図書館で予約して借りたということなのですが、予約順が100番以上あり、回ってくるのに時間がかかったということです。

 内容の感想としては、さすが評判になっただけのことはあるなというもの。風格もあり、名著の雰囲気も備えていそうな感じがします。

 有名となったフレーズ r>gは下記のように表現されているのが印象に残りました。

不等式r>gは、過去に蓄積された富が産出や賃金より急成長することだ。この不等式は根本的な論理を示している。事業者はどうしても不労所得生活者になってしまいがちで、労働以外の何も持たない人々に対してますます支配的な存在となる。いったん生まれた資本は、産出が増えるよりも急速に再生産する。過去が未来を食い尽くすのだ。

 日本でも、収監されたにも関わらず、不法な取引で稼いだ資本を原資に高級マンションに住み講演生活というような人がいないでしょうか。

 一旦、蓄積された富が持つ恐ろしさです。現代社会の持つ非倫理性はここから来ているのかと感じました。

 また、興味深い指摘の中で、公的債務に関するものがあります。公的債務は、当然返済が必要となり、税金を納める人から公的債務を買う人への再分配へのバックドアになるとの指摘がありました。

 空前の発行残高がある日本の国債を考えると、日本は日本人が思う以上に、金持ち優遇の国なのかもしれません。

 そして、そのような仕組みから生じてくる世襲的な「不労所得生活者」とそれをめぐる人々のおぞましい生態をバルザックなどの作品を引用し、表現しています。

 そして、そのような状況に対して提示しているのが、累進資本税。

 資本税とは財産にかける税です。一般的な感覚だと、税金は所得にかかるもの。持っているだけで税金がかかるというのは、固定資産税や自動車関係のものくらいしか思いつきませんが。

 銀行預金や株式など、資産全般にそれをかけていくというものです。

 確かに、資本が生み出す格差を考えると合理的と言えるのかもしれません。

 累進性をきちんと設定し、実質的な課税点が高く設定されるようにすれば、弊害も少ないでしょう。

 これらは投機が大好きな方々にはえらい不評な発想でしょうね。しかし、投機が社会にもたらしている害悪と効能を考えるに、ぜひ必要なことだと思われます。

 そもそも優秀な人材が、何の価値も生産しない投機に集中する社会そのものが、不幸かつ非効率な社会なのでしょうから。

 いつの間にか下火になってしまったピケティブームですが、ぜひオリジナルを読んでいただきたいものです。


 
 

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