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2014年12月21日 (日)

「なぜ日本の公教育費は少ないのか」を読みました

 まず読んでみてびっくりするのが、参照文献の多さ。ページごとに(○○年○○)と記載した内容の多いこと多いこと。

 こんなに多いと著者のオリジナルはと若干心配にはなりますが、なかなか興味深い本でした。

 タイトルから見て、教育関係者の我田引水?という印象もあったのですが、社会保障等も視野に入れた財政論といった趣。

 特に、いわゆる左翼的な主張とは一線を画しており、「公」の観念を強調しているところは共感できます。

 「社会主義や共産主義はそもそも経済活動を制御する思想であり、そこには必ず政府が介在する。そして社会全体にサービスを行き届かせようと思えば、広い負担が必要となる。ところが当座、一旦は広く税という形で負担してください。その分これだけのサービスを還元します。その仲介を政府が行います、という発想ではなく、富をむさぼる一部の富裕者と結託した政府が人々から収奪していてけしからん、という特定の「権力層」を敵とみなすような発想となってしまう。そこでは誰もが参加する、という「公」の観念は薄れ、むしろ社会の内部に「敵」を生み出し、政府はもてる者に多く支払うよう仕向けよとの姿勢に終始してしまう。」

 そして、このような姿勢が広く共感を呼ぶことはないと喝破しています。

 社会サービスを求めるのであれば、一定の費用はかかるという当たり前のことも冷静に言っています。「公務員数を減らす」「政府の無駄をなくす」などという主張は、ポピュリズムに近いのでしょう。

 そのあたりをOECDの統計等を用いて、一つ一つ冷静に論じているところが、面白いところです。

 ただし、ならばどうするかという視点は今一つ少ない感がありました。この本はあくまで現状分析ということなのでしょう。

 一つ気になるのは、冒頭でもふれた膨大な参考文献。こちらの参照がいわゆる学術論文スタイルの(○○年 ○○)という表記だとほとんど追跡は困難ということ。象牙の塔ではそれは良いのでしょうが、現代の一般向け書籍としてはどうかなあ。少なくとも巻末の参考文献との関係を整理くらいしてもらえると良いのでは。

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