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2011年5月 8日 (日)

日高見 震災復興酒 希望の光

 中野の中央線の線路から少し入ったところに永世屋さんという酒屋さんがあります。そこで購入したお酒です。瓶に「絶対負けない石巻」とラベルが張ってあり、震災復興酒と銘打ってあります。何を買おうか決めていなかったのですが、見た瞬間これだと思いました。

写真

 永世屋さん曰く、裏に醸造元の熱い思いが書いてありますので、是非読んでやってくださいとのこと。下記の文章は、裏ラベルにある(株)平孝酒造の店主さんの文章です。なかなか感動的な名文です。

このお酒は平成23年3月11日(金)の東日本大震災によって被災したお酒です。純米酒を中心に大吟醸や純米吟醸など、発酵中のお酒が被害に遭いました。震災直後、仕込み蔵は地震の揺れの激しさから、発酵中の醪(お酒)がタンクから溢れ、床一面、白い絨毯を敷き詰めたのかと、錯覚するような情景でした。溢れ出た醪は霧状になり、辺り一面に立ち込め、蔵の奥が良く見通せない状況で目の前の光景を疑いました。そして、溢れ出た醪が発生している音なのか、今までに聞いた事のないような音が蔵内にこだまし、まるで醪の悲鳴のようにも聞こえ、何とも言えない恐怖感を覚えました。建物のいたるところが壊れ、立ち入ることが困難になり、同時にライフラインが寸断し、発酵中のお酒の管理が出来なくなってしまいました。何の手立ても出来ず、ただ、呆然と指をくわえて見守る日々が続きました。一週間が過ぎても復旧の目処が立たず、発酵中の醪の全廃を覚悟しました。しかし、震災から2週間目、電気など、一部のライフラインの復旧などが重なり、諦めかけていた醪を、遂にお酒として甦えらせる日がやって参りました。ただ、放置している時間があまりにも長く、垂れ口から絞り出されるお酒の品質がとても心配でした。しかし、我々の心配をよそに、そのお酒はとても力強く生命力に溢れ、我々に勇気と希望を与えてくれました。

本来の酒造りでは、如何に良い酒を造ろうかと凌ぎを削りますが、このお酒からは普段の酒造りでは味わえない感動をもらいました。蔵の有る宮城県石巻市はこの度の震災で、壊滅的な被害を受けました。勿論、弊社も甚大な被害を受けました。しかし、被災した石巻市の惨状を見た時に、弊社は本当に生かされたのだと、強く感じるほかありませんでした。

普段の生活では感じ得ない、感謝の気持ちを強く痛感させられ、造り酒屋として、何か地域に貢献する事が出来ないか、自然と、その様な気持ちが芽生えてまいりました。そして、この気持ちを大事にしたいと考えるようになり、この被災したお酒を震災復興酒として販売し、少ない金額になりますが、売上金の一部を義援金として、私達の住む石巻市に献金したいと考えております。また、我々が励まされたこのお酒を通して、御愛飲頂く全ての方々に希望の光をお送りすることが出来れば幸いに思います。

(株)平孝酒造店主謹白

 お味は、かなり濃醇な感じでした。少し甘めではありましたが、上のようなドラマを経たものなのだなあと感慨深いものがあります。

 今後とも大変だとは思いますが、引き続きおいしいお酒を届けていただければと願わずにはいられません。

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