オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険
昨日の記事を書いていて思い出しました。
この本では、心理学の「神話」と言われる否定されているのに、既成事実として、何度でもよみがえる考え方を紹介しています。
たとえば、表題にもなっているオオカミ少女のアマラとカマラ。彼女たちがオオカミに育てられたということは疑問視されているそうです。また、サブリミナルなど、極めていい加減な概念が紹介されています。それらが信じられるようになっていった経過等が紹介されています。
そういったドラマは十分に引き込まれるところがあるのですが、今回、取り上げたのは、心理学のウサン臭さを増幅しているものとして、教科書や教師の問題を取り上げており、そこで誤ったものを孫引きしたりすることを問題視していたからです。
この著者の主張は、原典にあたることを求めており、かなり厳格な主張ですが、昨日紹介した本のように、そもそも引用の概念を明確にしないような「作品」は現実社会を説明しているとは、とても思えないです。
こちらの本は、「注」のページが40ページ近くありました。さすがです。
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