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2010年10月 2日 (土)

未熟型うつ病

 「予防医学」という雑誌で、拡がる職場不適応という記事が掲載されました。

 そこに「未熟型うつ病」いう概念が提示されていました。人格が未成熟で自己愛が強い人が、仕事等で失敗し、自己愛が傷つくことにより、うつ状態になる状態だそうです。

 それは従来型のうつと異なり、病気の否定がない(積極的に「うつ」であることを主張する。)、他罰的な傾向がある、病気を理由にして周りを誘導しようとする(操作性)などの特徴があるそうです。

 この記事は、他にも普遍的ストレス対処能力(SOC)、情緒性の重要性、クラッシャーなどの概念が説明されていて、興味深く読んだのですが、この未熟型うつ病という概念は、少し危険かなと思いました。

 紹介した事例は、読むだけで「このヤロー」と思うような話です。そんな事例につきあわざるを得ない治療者の方々には、”お悔やみを申し上げたく”なる気持ちになりますが、特に職場の問題児に対して、「未熟」などの悪いイメージのある言葉をレッテル付けしてしまうのは、一方的なような気がしないでもありません。

 少し気になって、ネット情報を見回ってみたら、新型うつ、非定型うつ、ディスチミア親和型など、いくつかの概念が提示されているようでした。日本うつ病学会では、新型うつというのは、専門用語ではないとしているようですが。

(新型うつ病が増えていると聞いています。新型うつ病とはどのようなものですか。)

http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/qa/pdf/qa4.pdf

上記のQAでも、「未熟型うつ病」等の用語について、患者の性格の問題をあげつらうのではなく、治療者が適切な対応をするための議論であったとしています。

 一方で、うつ病の範囲を狭くとらえるべきと考え、擬態うつ病という概念を提示している方もいるようです。

http://kokoro.squares.net/psyqa1591.html

 病気の名称にマイナスイメージのある内容が入り込むと、対応に悪意や差別が入り込むことがありえないとは言いがたいのではないかと思います。専門家の方々は慎重を期していただいたほうがよろしいかと思うのですが。

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