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2006年11月23日 (木)

いじめを許す心理 ジリ貧のジレンマ

 下記は、「いじめを許す心理」に掲載された、傍観者層のクラス内における比率をあらわしたグラフです。

Photo_2

 特徴としては、山が2つある二峰性の分布になっているということです。このことは、ちょっとした違いで、傍観者的態度を増えるか減るかがはっきり分かれるという可能性を示します。

 著者は、「限界質量」という考え方を適用し、このような分布が生じているとします。

 下のグラフは、ある行動(例えばいじめ行為を止めること)に対し、同調してくれる人がいれば、その行動に協力する人の人数の比率と同調する人の比率との関係を示しています。

_2_1

 さて、この曲線の状況で、仮に50%の人が協力しようとしたとします。

 その場合、グラフの縦軸の示す値は、36%です。

 著者は、傾き1の直線との差、14%の人が「たった50%しか協力しないのだ」と感じ協力をやめてしまうと考えます。

 となるとその割合でも協力しようとする意思を持つ、36%の人が協力するということになります。

 ところが、36%のところを見るとその状況でも協力する意思を持つのは、21%ということになります。

 つまり傾き1の直線と曲線が交差する13%のところで、ようやく安定するということになります。

 つまり必要な同調者がいないと、ますますジリ貧になっていくという力が集団に働くということです。

 一方、交点より上の70%の場合は、逆の事態となります。同調者は雪だるま式に増加し、交点の94%のところで安定します。

Zu  左の図は、集団内での2つの平衡のあり方を示した図です。交点にあたる底の部分は安定しているが、それ以外の状況は不安定な状況にあります。

 これらは、付和雷同的な価値観(トレンド指向など)の者が増えることにより、集団としての反応がちょっとしたきっかけで大きく分かれることを意味します。

 著者は、こういったメカニズムが傍観者層が一定以上に達する状況を作り、いじめを成立させていると考えています。

 集団のダイナミクスとして、上記のような状況は十分に有り得ると思います。これらのことから、曲線のゆがみや深さを減らしたりだとか、確信的にいじめに同調しないものを集団内に増やすような、集団を意識した介入(アプローチ)が必要になるのでしょう。

 つまり、いじめた側、いじめられた側だけでなく、その周囲に対するアプローチが大切ということになるのでしょう。

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「いじめを許す心理」 傍観者層が果たす役割

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