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2006年10月13日 (金)

マネー なぜ人はおカネに魅入られるのか

 ベルナルド・リエターさんのマネー なぜ人はおカネに魅入られるのかを読んでみました。地域通貨入門の際、営利、非営利を陰陽と捉えるのが、疑問と感じると記述しましたが、そのような単純な考えかたではありませんでした。

 この本では、お金に対しユング心理学で使われる元型という概念を適用し、それが社会的文化的に抑圧されると元型の「影」がお金に投影されているとしています。(ここでの元型とは、「人間の情緒と行動の典型的なパターン」としています。)そして影の現れ方には、元型の本質的エネルギーが過剰か不足かによって2通りあり、それは表裏一体の関係にあるとしています。著者は、中国の道教の概念を当てはめ、エネルギーが過剰な状態を陽、不足している状態を陰と捉えています。

 影とは、元型が抑圧されることにより現れるもので、恐怖により陰陽どちらかに二極化して現れるとしています。

 また人間心理を構成する元型のモデル・・・「君主」「恋人」「魔術師」「戦士」に、「グレートマザー」を加えるべきと提案しています。(これについては後述します。)

 「グレートマザー」は、偉大なる母性を象徴する元型で、提供者を意味し、影として貪欲さと欠乏感を持ちます。

 そして、ここからがわかりにくいところなのですが、さらに陰陽の概念を、女性的、男性的な特性にあてはめています。女性的な特性の例としては、「協力、直感、共感、情念的、相互の信頼」などを挙げ、男性的な特性の例としては、「競争、蓄積、成長、所有、ロジック、独立、ヒエラルキーが機能」などを挙げています。そして元型のうち、「戦士」「魔術師」を陽、「恋人」「グレートマザー」を陰、「君主」を両者を統合するものと位置づけています。(なお著者は、男性的な特性=男性ではないと明記しています。)

 さて、著者が、人間心理の元型モデルに「グレートマザー」を加えたことですが、元型に抜けているものを考えたとき、お金にまつわる感情に欠乏感と貪欲さが見られることから、それを「影」として表すものとして、「グレートマザー」があると考えたそうです。

 著者は「グレートマザー」とお金の関係について、「グレートマザー」元型が抑圧されることにより、お金の性格に影響したと考えます。そして西洋・環地中海世界を中心に、「グレートマザーの抑圧の歴史をこれでもかと記述します。

 一方、バブルの崩壊現象などは、元型のうち、「魔術師」が影響しているとします。「魔術師」は、専門知識と専門技術を司る元型です。「魔術師」の陽の影は、超理性的で抽象的な思考に逃げ込むアポロ的な知性で、陰の影は、見境いなしの混沌的な情緒であるディオニソスであるとし、その共通点は、不確かな現実だとします。アポロとディオニソスはコインの裏表のような存在であるとし、超理性的な市場ほど狂気に陥りやすいと分析しています。

 一方、中世ヨーロッパの一時期では、デマレージという仕組みで減価する貨幣が使われていた時代や同じく穀物の保管証をが通貨がわりに使われていたエジプトの事例が紹介され、その時代では、女神や黒聖母など、グレートマザー的な信仰が盛んだったことが紹介されます。

 それらのことから、お金に関する元型で、「グレートマザー」が欠けていることを示した上で、減価する貨幣を補完的に使われることの意義を論じています。

 と、概要を書いている際に、アレ論理が飛んでるなと感じることが結構ありますね。この手の心理学(以前読んだユングの本もそうでしたが)古今の事例から、これでもかといった具合に引用しているのですが、それがそのまま結論につながるの?というのが疑問に感じることがあります。

 読んでいるときは、もっともらしいような気もするのですが・・・。なんせ430ページもある本ですから。

 

 

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