« 麺処 月うさぎ | トップページ | グラミン銀行 »

2006年10月26日 (木)

共有地のジレンマ

 「エコマネーの世界が始まる」で紹介された面白い概念のひとつが、「共有地のジレンマ」です。

 これは、アメリカの生物学者の提示した概念だそうで、集団のメンバーが自発的に協力的な行動を取れば、すべてのメンバーにとって好ましい結果になることがわかっているが、実際には誰かに恩恵を独り占めされることを恐れ、身勝手な行動を取る者が現れ、他のメンバーも追随することにより、全員が何かを失うという内容です。

 しかしここでは、実際にはそうとも限らないという、研究結果が紹介されています。

 ある地域コミュニティでは協力的な関係がより協力的な関係を生み出しており、ほかのある地域では、非協力的な態度と不信感の悪循環が見られているとの事例でした。

 その違いは、コミュニティの民度(civicness)によって生じるとあります。

 民度の高いコミュニティでは、非協力的な態度を行う動機が薄められ、更に将来にわたる協力のためのモデルを提供することになるため、社会的信頼感を促進することになるそうです。

 言っててみれば、非協力的な態度と不信感の悪循環に対して、信頼の好循環が生じているということでしょうか。

 インターネット上のコミュニティでも、ウキペディアなどでは、比較的荒しが少ないといった話を聞きます。こういう所では、信頼の好循環が生じているのかもしれません。

 インターネット上の「民度」は、その「場」の性格により規定してくるのかもしれません。

 悪場では、不信の循環が生じることになり、そこのコンテンツは信用に値しないということになります。

 その意味では機械的なトラックバック等で無理やり、引っ張るようなアフィリエイトサイトなどは、あまり信用しない方が良いのでしょう。

 私自身もアフィリエイトは配置していますが、コンテンツに関係のあるものを掲載するようにしています。広告そのものが、見る方にとって有効な情報であってほしいと思うからです。

 自身のサイトが悪場にならないよう気をつけなければと思うこの頃です。

 なお「共有地のジレンマ」については、ここで紹介したような考え方のほかにも、規定の仕方があるようです。下記のサイトでは、具体例をあげて説明していますが、その例では、非協力的な態度のほかに、共有地全体のキャパシティの問題(成長の限界)の問題も含んでいるような気がします。

http://medinet.jugem.jp/?eid=180

 また下記のサイト「自分探し3級」では、環境問題で、「共有地のジレンマ」が生じることを論じています。

 http://blogs.yahoo.co.jp/wbsqm839/4032063.html

 環境問題のように大きな問題になると「民度」が下がってしまうということでしょうか。

 以前読んだ「平気でうそをつく人たち」では、集団のメカニズムによって良心が細分化されてしまうメカニズムを描写していましたが、それを連想しました。

|

« 麺処 月うさぎ | トップページ | グラミン銀行 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

私は「徳の起源」という本で「共有地のジレンマ」を知りました。

伝統的な地元コミュニティーにより円滑に運営されていた共有資源も、政府の介入により「共有地のジレンマ」に陥る例が紹介されていました。

このジレンマの解決策は「当事者に任せ、議論の機会を与える事」だったと記憶しています。

ネットの民度についての考察、面白く読ませて頂きました。    

投稿: hidaruma | 2010年4月14日 (水) 23時26分

コメントありがとうございます。「共有地のジレンマ」を克服するソーシャルキャピタルは、自発的協力が基礎となるので、政府などの介入が、そのバランスを崩すこともあるのかもしれませんね。

投稿: りぞあか | 2010年4月17日 (土) 07時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 共有地のジレンマ:

« 麺処 月うさぎ | トップページ | グラミン銀行 »